フィジカルAI・ロボットのリース vs 購入:補助金・税務・キャッシュフローを徹底比較

産業ロボット・AIシステムを導入する際、「購入」「リース」「RaaS(Robot as a Service)」という3つの調達方法があります。補助金の適用可否・税務処理・月次キャッシュフローが大きく異なるため、慎重に選択する必要があります。

調達方法補助金対象初期費用月次コスト税務処理
購入○(直接補助)高(全額)低(保守のみ)減価償却(即時償却可)
リース△(条件付き)低(頭金のみ)中(リース料)リース料を費用計上
RaaS△(月額制は原則不可)極低サービス料として費用計上

リース契約が補助金対象になる条件

リース契約が補助金対象になるかどうかは、補助金の種類と契約形態によって異なります。ものづくり補助金では「ファイナンスリース(所有権移転)」は補助対象になりますが、「オペレーティングリース(レンタル型)」は原則対象外です。

注意

「補助金を使ってリースで導入する」という提案をする代理店が存在しますが、リース料の補助は認められないケースがほとんどです。必ず補助金事務局に事前確認してください。

RaaS(Robot as a Service)月額制ロボットは補助金対象になるか

RaaSは「ロボットを購入せず、月額料金で利用する」サービスモデルです。AGV・協働ロボット・清掃ロボット等でRaaSが急増していますが、補助金との相性には注意が必要です。

RaaSが補助金対象にならない理由

ものづくり補助金・省力化投資補助金では、補助対象は「設備の購入・設置費用」であり、継続的なサービス利用料は対象外が原則です。

  • ものづくり補助金: 「機械装置費」は購入・割賦が前提。月額サービス料は不可
  • 省力化投資補助金: カタログ登録は「機器購入」が前提。RaaSモデルは現状未対応
  • IT導入補助金: ソフトウェアのSaaSは対象(ただし月額上限あり)

RaaSと補助金を組み合わせるハイブリッド戦略

初期導入コストを抑えながら補助金も活用したい場合は「ハイブリッド戦略」が有効です。

  1. Step 1: RaaSで1〜3ヶ月間試験運用(補助金なし・初期コスト最小)
  2. Step 2: 効果を確認した上で「購入」に切り替え
  3. Step 3: 購入費用に対してものづくり補助金・省力化投資補助金を申請

多くのRaaSプロバイダーは「RaaS試用後の購入オプション」を提供しており、試用期間中の費用を購入費用に充当できるケースもあります。

ロボット投資の税務処理:即時償却・税額控除と補助金の組み合わせ

補助金を活用してロボットを購入した場合、税務上の処理も重要です。特に「中小企業経営強化税制」との組み合わせが節税効果を最大化します。

即時償却(全額損金算入)とは

中小企業経営強化税制(A類型)を適用すると、ロボット購入年度に全額を費用計上できます(即時償却)。補助金収入は「圧縮記帳」で処理することで、課税タイミングを将来にずらすことが可能です。

  • 機器購入費用: 1,000万円
  • 補助金収入: △500万円
  • 圧縮記帳後の取得価額: 500万円
  • 即時償却で当年度に500万円を損金算入
  • 税率30%で節税効果: 150万円