川崎重工ロボット補助金ガイド2026|RS・BAシリーズの費用と申請方法
機体・製品別
公開: 2026年3月12日
更新: 2026年4月30日
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川崎重工ロボット事業とは:航空・鉄道・造船を支える重工メーカーが作る産業ロボット
川崎重工業株式会社(Kawasaki Heavy Industries, Ltd.)は、航空宇宙・鉄道車両・船舶・二輪車・産業機械など多角的な事業を展開する日本を代表する重工メーカーです。フィジカルAI補助金の全体ガイド もあわせてご覧ください。ロボット事業は1969年に日本初の産業用ロボット(川崎ユニメート2000型)を製造して以来、50年以上の歴史を持ちます。2026年現在、川崎重工のロボット累計出荷台数は世界で23万台以上に達しています。
川崎重工ロボットは特にスポット溶接・アーク溶接・塗装・パレタイジング などの自動車製造ライン向け用途で世界トップクラスの実績を誇ります。近年は協働ロボット「duAro」シリーズで中小企業向け省人化市場にも積極参入しており、補助金を活用した中小・中堅企業の導入が増加しています。
川崎重工ロボットの強み:重工メーカーならではの高剛性と大型機ラインアップ
世界最大クラスの可搬重量 :RシリーズはMAX1,500kgまでの超重量物対応モデルを展開。鍛造・プレス・自動車ボディ搬送で圧倒的な実績
塗装ロボットの世界的シェア :KJシリーズはグローバル自動車メーカーの塗装ラインで採用率が高い
協働ロボット「duAro」の独自性 :双腕型協働ロボットという独自コンセプト。人の両腕動作を再現し、組立・梱包・デパレタイジングに対応
グローバルサポート体制 :北米・欧州・アジアに現地法人を展開。国内はカワサキロボットサービスが保守対応
航空・医療向けロボットも展開 :クリーンルーム仕様・危険区域対応モデルなど特殊環境向けラインアップが豊富
主力製品ラインアップ:RS・BA・duAroシリーズの特徴と価格帯
川崎重工のロボットラインアップは可搬重量・用途の幅が特に広く、小型協働ロボットから1,000kg超の超重量物搬送ロボットまで揃っています。補助金申請では機種の選定理由と用途の明確な対応付けが重要です。
シリーズ・型番 種別 可搬重量 リーチ 参考価格(本体) 主な用途
RS006L 垂直多関節(汎用・小型) 6kg 900mm 180〜240万円 組立・検査・ハンドリング
RS013N 垂直多関節(汎用・中型) 13kg 1,450mm 240〜330万円 マシンテンディング・組立
RS030N 垂直多関節(汎用・大型) 30kg 2,100mm 360〜500万円 パレタイジング・搬送
BA006N 垂直多関節(アーク溶接) 6kg 1,450mm 210〜280万円 アーク溶接・肉盛り
BA010N 垂直多関節(アーク溶接) 10kg 1,650mm 260〜350万円 大型アーク溶接・多層盛り
duAro1 双腕協働ロボット 2kg×2アーム 790mm×2 300〜420万円 組立・梱包・デパレタイジング
duAro2 双腕協働ロボット 3kg×2アーム 900mm×2 380〜520万円 組立・精密検査・ラベル貼付
ZX130S 垂直多関節(スポット溶接) 130kg 2,800mm 700〜1,000万円 自動車ボディスポット溶接
duAro(双腕協働ロボット):人の両腕動作を再現する独自設計
duAroシリーズの特長
双腕設計:人間の両腕に相当する2本アームを1台のロボットで実現
旋回軸を共有:コンパクトな設置面積(人1人分の設置スペース)
力覚センサー内蔵:人との接触で自動停止(ISO/TS 15066準拠)
台車付き移動式:ラインを移動して異なる工程を担当する柔軟な運用が可能
タブレット操作:専門知識不要の直感的ティーチング
duAroは本体価格300〜520万円 で、協働ロボットの中では大型・高機能クラスですが、安全柵不要で設置工事が簡素化されるため、トータルの導入コストは抑えられます。食品・医薬品・化粧品の梱包・検査ラインでの採用が特に多い機種です。
RS・BAシリーズ(汎用・溶接):製造業のバックボーンを支える主力機
RSシリーズは汎用垂直多関節ロボットとして幅広い用途に対応します。RS006Lは本体価格180〜240万円 で、ものづくり補助金の上限(1,250万円)の範囲内でシステム一式を賄いやすいエントリークラスです。BAシリーズはアーク溶接専用設計で、防塵・防滴性能(IP65相当)と溶接電流対応の配線処理が施されています。
川崎重工ロボット導入費用の全体像:機種別・用途別のコスト内訳
川崎重工ロボットの導入費用は機種・用途によって大きく異なります。以下に中小企業で導入頻度の高い3パターンの費用内訳を示します。
パターン1:RS006L×2台(小型ハンドリングシステム)
費用項目 目安費用
RS006L本体×2台 400〜480万円
ハンドリングツール・グリッパー 40〜120万円
ビジョンシステム 80〜180万円
安全柵・センサー 30〜70万円
システムインテグレーション 200〜400万円
電気工事・設置 30〜60万円
合計 780〜1,310万円
パターン2:BA006N×2台(アーク溶接システム)
費用項目 目安費用
BA006N本体×2台 450〜560万円
溶接電源・ワイヤ送給装置 80〜150万円
ポジショナー・治具 80〜200万円
安全設備(防炎・換気) 50〜100万円
システムインテグレーション 250〜500万円
合計 910〜1,510万円
パターン3:duAro2×1台(協働ロボット・梱包ライン)
導入費用シミュレーション(duAro2×1台・食品梱包ライン)
ものづくり補助金(省力化枠・補助率2/3)で申請した場合、補助額は500万円。自己負担は250万円となります。食品梱包ラインでパート2名削減(年間400万円削減)を達成した場合、実質投資回収期間は約7.5ヶ月 という高い費用対効果が得られます。
川崎重工ロボットに使える補助金制度2026年版
川崎重工のロボットは産業用機械として複数の補助金制度の対象となります。機種・用途・企業規模に応じて最適な制度を選択してください。
ものづくり補助金(補助上限1,250万円・省力化枠で補助率2/3)
RS・BA・duAroシリーズいずれも機械装置費として申請可能です。以下の観点で事業計画を組み立てると審査での評価が高くなります。
省力化枠 :製造工程の人員削減・省人化を主目的とした申請(duAro・RSシリーズ向け)
グリーン枠 :溶接ヒューム・CO2削減・省エネ効果をアピールする申請(BAシリーズ溶接用途向け)
デジタル枠 :ビジョンシステム・IoT連携による品質データ収集を組み合わせた申請
省力化投資補助金(カタログ型・上限300万円)
補助金申請フロー でも解説していますが、省力化投資補助金のカタログ型はduAroシリーズでのカタログ登録を川崎重工が申請中です(2026年現在)。カタログ登録が完了すれば審査なし・先着順で申請可能となります。
補助率:1/2(中小企業)
上限額:300万円(カタログ型)
審査:なし・先着順
注意: RS・BAシリーズ(専用機・大型機)はカタログ型の対象外となる可能性があります。これらの機種はものづくり補助金(カスタム申請)での申請が現実的です。
中小企業経営強化税制(即時償却または税額控除7%)との組み合わせ
ものづくり補助金と併用できる税制優遇として「中小企業経営強化税制」があります。川崎重工ロボットを「特定経営力向上設備等」として経営力向上計画に記載し、主務大臣の認定を受けることで、即時償却(取得価額を全額その年度に費用化)または取得価額の7%の税額控除を受けられます。補助金と税制優遇の組み合わせで実質的な負担をさらに軽減できます。
リース・割賦活用と川崎重工ロボット:調達方法の比較
ロボットリースと補助金の税務比較 も参考に、川崎重工ロボットの調達方法を比較します。川崎重工ロボット(カワサキ)はリース会社経由での調達実績が豊富で、大手リース会社との取引実績があります。
調達方法 初期費用 補助金適用 月次コスト(750万円の場合) 向いているケース
一括購入(補助金活用) 実質250万円 最大500万円補助 保守費のみ約2.5万円/月 長期利用・補助金最大活用
ファイナンスリース(60回) 手数料のみ 条件次第で対象 約14〜16万円/月 資金繰り重視
割賦(48回) 頭金10%(75万円) 全額対象 約17〜20万円/月 補助金と資金調達の両立
RaaS(月額制) 0円 原則対象外 要見積(用途・期間次第) 短期利用・試験導入
資金繰りと補助金を両立する推奨パターン
推奨:ものづくり補助金(購入)+日本政策金融公庫の設備資金融資
総導入費用:1,000万円(BA006N×2台・溶接システム)
ものづくり補助金:667万円(補助率2/3)
自己負担:333万円(日本政策金融公庫から低利融資)
融資返済は補助金入金後(約6〜8ヶ月後)に一括返済
金利負担(0.1〜0.3%×6ヶ月):実質数千〜2万円程度
川崎重工ロボット採択事例:溶接・梱包・搬送分野での補助金活用
以下はものづくり補助金を活用して川崎重工ロボットを導入した採択事例のモデルケースです。
事例1:建設機械部品メーカー(従業員60名)でのBA006N×3台溶接ライン
事例概要:建設機械フレーム溶接業者A社(関西地方)
課題:溶接工の高齢化(平均年齢58歳)・後継者不在・溶接品質のバラツキ
導入機種:川崎重工 BA006N×3台+ポジショナー2台
活用補助金:ものづくり補助金(省力化枠・補助率2/3)
総導入費用:2,100万円(本体・溶接設備・SI全込み)
補助額:1,250万円(上限適用)
自己負担:850万円
効果:溶接工4名を2名に削減・溶接不良率を1.2%から0.15%に改善
年間効果:人件費削減600万円+不良品損失削減200万円=計800万円
事例2:化粧品メーカー(従業員40名)でのduAro2×2台梱包ライン
事例概要:化粧品小分け・梱包業者B社(中部地方)
課題:化粧品容器の梱包工程の人手不足・繁忙期の外注コスト増大
導入機種:川崎重工 duAro2×2台(安全柵なし・既存ラインに設置)
活用補助金:ものづくり補助金(省力化枠)
総導入費用:1,350万円(本体×2・周辺機器・SI)
補助額:900万円(補助率2/3)
自己負担:450万円
効果:梱包担当パート4名削減、繁忙期外注費年間350万円削減
投資回収期間(補助金活用後):約16ヶ月
事例3:食品製造業者(従業員90名)でのRS030Nパレタイジングシステム
飲料・加工食品製造業者C社では、ライン末端のパレタイジング(段積み)工程に川崎重工RS030N×1台を導入しました。24時間稼働に対応する高耐久設計と、省力化投資補助金(カスタム型・申請時)での補助を組み合わせ、夜間無人ラインを実現しています。パレタイジング担当3名を昼間シフトへ集約し、夜間の人件費を大幅削減しました。ものづくり補助金でシステム一式(360万円)の1/2・180万円の補助を受けています。
川崎重工ロボット補助金の申請ステップと審査対策
ロボット補助金の申請フロー詳細版 もご参照ください。川崎重工ロボットをものづくり補助金で申請する場合の標準的なフローを説明します。
GビズID取得 (法人代表者が申請・所要2〜3週間)
川崎重工認定SIerへの相談・見積取得 :機種・システム構成の確定
事業計画書の作成 :省力化人数・不良率改善・投資回収期間を定量記載
公募期間中にjGrantsで電子申請
採択通知後に正式発注 (採択前の発注・契約は補助対象外)
設備製造・設置・試運転 (採択から完了まで6〜12ヶ月)
完了報告・交付申請・補助金入金
重要: 川崎重工ロボットは受注生産品が多く、製造リードタイム(納期)が3〜6ヶ月かかる場合があります。補助事業の実施期間内に設置・稼働・完了報告を終えるため、採択通知後は速やかにSIerと納期を確認してください。
採択率を高める事業計画書の記載ポイント
導入前の課題を数値で示す :「溶接工3名・月間残業80時間・不良率1.5%・クレーム年5件」など現状データを記録
川崎重工を選んだ根拠を明記 :他社製品との比較(可搬重量・耐久性・納期・サポート体制等)を表形式で記載
システムの全体像を図示 :ライン配置図・フロー図を添付すると審査員の理解が深まる
SIer選定の根拠を記載 :認定SIerの同種ライン構築実績・体制を補足資料として添付
将来の事業展開と連動 :ロボット導入後の受注拡大計画・人材再配置計画まで記載すると加点されやすい
申請・導入時の注意点:川崎重工ロボット固有の確認事項
川崎重工ロボットを補助金申請で導入する際の注意点をまとめます。
受注生産品の長納期:スケジュール管理が鍵
川崎重工ロボットの納期に関する注意事項
RSシリーズ(汎用・量産品):受注から2〜4ヶ月
BAシリーズ(溶接専用・システム仕様品):受注から3〜6ヶ月
duAroシリーズ:受注から2〜4ヶ月
ZXシリーズ(大型スポット溶接):受注から6〜12ヶ月
ものづくり補助金の実施期間(通常1〜2年)を考慮し、採択通知後は直ちに発注・スケジュールを確定してください。
保守体制の確認と補助事業期間中の維持義務
ものづくり補助金の採択企業は、設備の導入から5年間(補助金額によっては3年間)の事業化状況報告義務があります。川崎重工ロボットはカワサキロボットサービス(KRS)と保守契約を締結することで定期点検・部品交換・遠隔サポートを受けられます。年間保守費用は機種・稼働時間により20〜60万円程度が目安です。補助金申請の費用計画に保守費を含めることを忘れないようにしてください。
産業用ロボット特別教育の実施義務
川崎重工ロボットを操作・ティーチングする作業者には、労働安全衛生法に基づく「産業用ロボット特別教育」(6時間以上)の修了が義務付けられています。川崎重工・認定SIer・ポリテクセンター等で受講できます。未実施のままロボットを稼働させると労働安全衛生法違反となり、補助金の取り消し事由にもなり得るため、導入前に確実に実施してください。