この記事の結論
介護ロボットのメーカーは、価格や知名度ではなく、厚生労働省・経済産業省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」(2025年4月運用開始・9分野16項目)のどの分野に対応する製品かで比較するのが実務的です。多くのメーカーは価格を公式サイトで公表しておらず、本記事は公表が確認できない製品をすべて「要見積」と明記し、価格の
介護ロボット メーカー比較2026:結論と選び方
介護ロボットのメーカーは、価格や知名度ではなく、厚生労働省・経済産業省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」(2025年4月運用開始・9分野16項目)のどの分野に対応する製品かで比較するのが実務的です。多くのメーカーは価格を公式サイトで公表しておらず、本記事は公表が確認できない製品をすべて「要見積」と明記し、価格の相場や目安の数値は掲載しません。
この記事でわかること(要約)
- 介護ロボット メーカー比較:厚労省・経産省の9分野16項目(2025年4月運用開始)のどの分野に対応する製品かで整理するのが基本。本記事の比較表も分野別に掲載
- 介護ロボット 補助金:地域医療介護総合確保基金「介護テクノロジー導入支援事業」(令和7年度)は、機器1台あたり原則上限30万円、移乗支援・入浴支援は上限100万円、要件を満たせば補助率3/4。実施主体は都道府県で、実際の要綱・予算配分は都道府県ごとに異なる
- 価格:メーカー公式サイトで価格を公表している製品はごく一部。本記事は公表が確認できない製品をすべて「要見積」と記載し、相場・目安の金額は書かない
- 対象製品の確認先:公益財団法人テクノエイド協会の「福祉用具情報システム(TAIS)」で、介護テクノロジーとして選定された製品を検索できる(補助対象になる原則条件の一つ)
本記事は、厚生労働省・経済産業省が公表する一次資料だけをもとに、介護ロボットのメーカーを分野別に整理し、補助金の補助率・補助上限額・都道府県ごとの予算配分の実例までを解説します。価格の相場・目安・導入効果の数値は、公式に確認できないものは書きません。
本記事の重点分野の定義・補助率・補助上限額・普及率・都道府県別予算はすべて厚生労働省が公表する資料に基づき、2026年9月14日時点で確認したものです。出典はページ末尾に一覧で掲載しています。都道府県の要綱・予算・対象製品は年度ごとに変わるため、申請前に必ず所在地の都道府県窓口で最新情報をご確認ください。
介護ロボット 主要メーカー比較【2026年】:重点分野で整理
介護ロボットは分野によって得意なメーカーがまったく異なります。まず自施設が解決したい介護場面(見守り・移乗介助・コミュニケーション等)を1つ決め、その分野で公式サイトから情報を確認できるメーカーを比較することが失敗しない選び方です。以下は、公式サイトで事業内容・製品情報を確認できた主要メーカーの一覧です(2026年9月14日確認)。
| メーカー | 製品名 | 対応する重点分野 | 概要 | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| パラマウントベッド | 眠りSCAN | 見守り・コミュニケーション(施設) | マットレス下に設置する非接触センサーで、睡眠状態や離床等を検知する機器 | 要見積(公式サイトに価格の記載なし) |
| コニカミノルタ | HitomeQ ケアサポート | 見守り・コミュニケーション(施設) | 天井設置のカメラとAIで、転倒等の行動を検知する見守りシステム | 要見積(同上) |
| CYBERDYNE | HAL 腰タイプ(介護・自立支援用) | 移乗支援(装着) | 装着者の生体電位信号を読み取り、動作をアシストする装着型ロボット | 要見積(同上・レンタルプランは個別見積り) |
| イノフィス | マッスルスーツ Every | 移乗支援(装着) | 空気圧により動作をアシストする、電源不要の装着型機器 | 要見積(同上) |
| 富士ソフト | PALRO | 見守り・コミュニケーション(コミュニケーション) | 音声認識・顔認識を搭載し、会話やレクリエーションの進行を行うロボット | 要見積(同上) |
| 産業技術総合研究所(産総研) | PARO | 見守り・コミュニケーション(コミュニケーション) | アザラシ型のセラピー効果を目的とした対話型ロボット。国立研究開発法人が開発 | 要見積(販売代理店にお問い合わせください) |
| GROOVE X | LOVOT | 見守り・コミュニケーション(コミュニケーション) | 体温を持つ触れ合い型ロボット。家庭向けが中心で、施設での活用事例もある | 要見積(公式サイトに施設向け価格の記載なし) |
上記は本記事執筆時点で公式サイトの事業内容・製品情報を確認できたメーカーの一部です。移動支援・排泄支援・入浴支援・介護業務支援・機能訓練支援・食事栄養管理支援・認知症生活支援等を含む全分野の対象製品は、次章で紹介する公式データベースで検索できます。
価格が「要見積」になっている理由
本記事では、メーカー公式サイト・プレスリリース・公式オンラインストアに価格の掲載が確認できた製品のみ価格を記載し、確認できなかった製品はすべて「要見積」と表記する方針を取っています。2026年9月14日時点で確認した範囲では、上記7メーカーのいずれも介護施設向け製品の定価を公式サイト上で公開していませんでした。介護ロボットは施設の規模・設置環境・台数・保守プランによって費用が変わる個別見積もりが基本のため、「◯万円〜」という相場の記載はかえって実態と乖離するおそれがあります。正式な価格は、必ず各メーカーまたは販売代理店に直接お問い合わせください。
厚労省・経産省の重点分野(9分野16項目)から選ぶ
厚生労働省と経済産業省は、2012年に「ロボット技術の介護利用における重点分野」を策定し、2014年・2017年に改訂したうえで、2024年6月28日に大幅な見直しを行い、名称を「介護テクノロジー利用の重点分野」に変更しました。2025年3月まで運用されていた旧分野は6分野13項目でしたが、2025年4月からは機能訓練支援・食事栄養管理支援・認知症生活支援・認知症ケア支援の3分野が新たに追加され、9分野16項目で運用されています。
| 重点分野 | 項目 | 普及率(令和3年度調査) |
|---|---|---|
| 移乗支援 | 装着 | 9.7% |
| 非装着 | ||
| 移動支援 | 屋外 | 1.2% |
| 屋内 | ||
| 装着 | ||
| 排泄支援 | 排泄予測・検知 | 0.5% |
| 排泄物処理 | ||
| 動作支援 | ||
| 見守り・コミュニケーション | 施設 | 30.0% |
| 在宅 | ||
| コミュニケーション | ||
| 入浴支援 | 項目区分なし | 11.2% |
| 介護業務支援 | 項目区分なし | 10.2% |
| 機能訓練支援 | 2025年4月新設 | 調査未実施 |
| 食事・栄養管理支援 | 2025年4月新設 | 調査未実施 |
| 認知症生活支援・認知症ケア支援 | 2025年4月新設 | 調査未実施 |
普及率は「令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査結果」を厚生労働省が引用したものです。2025年4月に新設された3分野は同調査の対象外のため、普及率は未公表とされています。出典:厚生労働省「介護テクノロジー利用の重点分野の全体図と普及率」(2026年9月14日確認)。
見守り・コミュニケーションで選ぶ:最も普及している分野
見守り・コミュニケーションは、令和3年度調査で普及率30.0%と9分野の中で最も普及が進んでいる分野です。厚労省の定義では「施設」「在宅」「コミュニケーション」の3項目に分かれ、施設向けはセンサーや外部通信機能を備えた機器・プラットフォームを、在宅向けは転倒検知センサー等を、コミュニケーション項目は高齢者等とのコミュニケーションを支援する機器を指します。夜勤の巡視負担が大きい施設、認知症ケアやレクリエーションを強化したい施設が優先的に検討する分野です。
移乗支援で選ぶ:装着型と非装着型の違い
移乗支援は普及率9.7%で、厚労省の定義上「装着」と「非装着」の2項目に分かれます。装着型は「介助者が装着して用い、移乗介助の際の身体の負担を軽減する」機器で、介助者が一人で着脱できることが要件です。非装着型は「要介護者を移乗させる際、介助者の力の全部又は一部のアシストを行う」機器で、住宅等への据付け工事を伴わないことなどが要件になっています。職員の腰痛対策を主目的にするなら装着型、機器そのものが移乗動作を担う非装着型かは、現場の運用に合わせて検討します。
機能訓練支援・食事栄養管理支援・認知症生活支援:2025年新設の3分野
2025年4月に新設された3分野は、いずれも介護職員が行う周辺業務を支援する機器・システムを対象としています。機能訓練支援は「介護職等が行う身体機能や生活機能の訓練における各業務(アセスメント・計画作成・訓練実施)を支援する機器・システム」、食事・栄養管理支援は「高齢者等の食事・栄養管理に関する周辺業務を支援する機器・システム」、認知症生活支援・認知症ケア支援は「認知機能が低下した高齢者等の自立した日常生活または個別ケアを支援する機器・システム」と定義されています。新設分野のため対応製品はまだ少なく、導入を検討する場合は下記のデータベースで最新の登録状況を確認してください。
全分野の対象製品を検索できる公式データベース
厚生労働省は、公益財団法人テクノエイド協会が運営する「福祉用具情報システム(TAIS)」で、介護テクノロジーとして選定された製品は原則として補助対象になると案内しています。導入候補の製品が重点分野のどの項目に該当するか、補助対象になり得るかは、まずこのデータベースで確認するのが確実です。