介護ロボット補助金の全体像:2026年に使える制度と申請窓口
介護現場でロボットや見守り機器、介護ソフトを導入するときに使える補助金は、大きく分けて「介護分野専用の制度」と「中小企業向けの汎用制度」の2系統があります。2026年現在、介護ロボット・介護テクノロジーの導入で中心となるのは、各都道府県が地域医療介護総合確保基金を財源に実施する「介護テクノロジー導入支援事業」です。これに加え、中小企業省力化投資補助金・ものづくり補助金・IT導入補助金なども、要件を満たせば介護事業者が活用できます。
介護でロボット・テクノロジーを導入するときの主な制度(2026年)
介護テクノロジー導入支援事業
都道府県/基金
省力化投資補助金
中小企業/経産系
ものづくり補助金
中小企業/経産系
IT導入補助金
介護ソフト/ICT
このうち、介護に最も近く、見守り機器・移乗支援機器・介護ソフト(介護記録/業務支援)・インカムまで幅広く対象になるのが「介護テクノロジー導入支援事業」です。本ページでは、この制度を中心に、どの制度が使えるか・申請から入金までの流れ・そして採択された後に脱落しないための実績報告・精算手続きまでを整理します。導入する機種そのものの選び方・費用・レンタルの相談は、介護現場のフィジカルAI導入ナビ(Smartmart)もあわせてご覧ください。
制度は毎年度更新されます(必ず最新の実施要綱で確認)
介護テクノロジー導入支援事業は各都道府県が地域医療介護総合確保基金を使って実施するため、補助率・補助上限・対象機器・公募期間・申請窓口は都道府県(一部は市区町村)ごとに異なり、年度ごとに改定されます。本ページの金額・要件は2026年時点で公表されている内容をもとにした目安です。実際の申請にあたっては、必ずお住まいの都道府県(介護・高齢者福祉担当部局)が公表する最新の実施要綱・公募要領をご確認ください。
「介護専用の制度」と「中小企業向けの制度」を混同しない
介護ロボット補助金でつまずく最初のポイントが、制度系統の混同です。申請窓口・対象経費・補助率・スケジュールがそれぞれ異なるため、まず「どの系統で申請するか」を決めるところから始まります。
| 系統 | 代表的な制度 | 申請窓口 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| 介護分野専用 | 介護テクノロジー導入支援事業(地域医療介護総合確保基金) | 都道府県(介護・高齢者福祉担当) | 見守り・移乗支援・入浴支援・介護ソフト・インカム等 |
| 中小企業向け(経産系) | 省力化投資補助金・ものづくり補助金 | 各事務局・GビズID | 省力化・生産性向上に資する設備・ロボット |
| 中小企業向け(ICT) | IT導入補助金 | 事務局・登録ITベンダー経由 | 介護記録ソフト・業務支援システム等のソフトウェア |
原則として、同一の機器・経費について複数の補助金を重複して受給することはできません。どの制度が自社の導入計画に最も有利か、または機器ごとに制度を使い分けられるかは、導入内容と法人規模によって変わります。判断に迷う場合は無料相談でご相談ください。
介護テクノロジー導入支援事業とは:対象機器・補助率・上限の目安
介護テクノロジー導入支援事業は、介護現場の人材不足という課題に対して、介護ロボットや介護ソフトなどの導入を後押しする制度です。これまで別々に実施されていた「介護ロボット導入支援事業」と「ICT導入支援事業」が令和7年度から一本化され、見守り機器からソフトウェアまでを一つの枠組みで支援する形に再編されました。財源は地域医療介護総合確保基金で、国の予算規模は2025年度時点で基金分とあわせて数百億円規模が確保されています。
対象になる機器・経費(見守り・移乗・介護ソフト・インカム等)
対象は介護ロボット(ハードウェア)だけでなく、介護記録・業務支援を行う介護ソフトや周辺機器まで広く含まれます。「見守りセンサーを入れたいが通信環境がない」「記録のために介護ソフトとタブレットを入れたい」といったニーズに対応できる制度です。
| 区分 | 具体例 | 主な狙い |
|---|---|---|
| 見守り支援機器 | AI見守りセンサー・睡眠/離床センサー | 夜間巡視の負担軽減・転倒の早期検知 |
| 移乗支援機器 | 移乗支援ロボット・装着型パワーアシスト | 移乗介助の腰部負担軽減 |
| 入浴支援機器 | 入浴介助を補助する機器 | 入浴介助の負担軽減 |
| 介護ソフト(介護業務支援) | 介護記録ソフト・業務支援システム・クラウド | 記録・請求・情報共有の効率化 |
| 周辺機器・環境整備 | タブレット端末・インカム・通信環境整備 | 機器の活用・職員間連携の効率化 |
補助率と補助上限の目安(都道府県ごとに要確認)
補助率は、一定の要件(ケアプランデータ連携システムの利用、介護現場の負担軽減を検討する委員会の設置、デジタル中核人材養成研修の受講など)を満たす場合は最大3/4、それ以外は1/2以上が国の示す水準です。補助上限額は機器のカテゴリや事業所規模によって設定されています。以下はあくまで目安で、実額は各都道府県の実施要綱で確認が必要です。
| 区分 | 補助上限の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 移乗支援・見守り等(機器1台あたり) | 100万円/台 | 機器の種類により上限が異なる |
| 入浴支援・その他機器(1台あたり) | 30万円/台 | カテゴリにより設定 |
| 介護ソフト・ICT(職員数で変動) | 100〜260万円 | 1〜10人=100万/31人〜=260万 等の目安 |
| パッケージ型(事業所全体) | 数百万円規模 | 機器+ソフトを一体導入する枠 |
金額は都道府県で異なります
上の数字は国の制度設計や複数自治体の公表内容をもとにした目安です。実際の補助率・上限・対象機器・加点要件は、申請する都道府県の最新の実施要綱で必ずご確認ください。令和8年度(2026年度)の公募は、多くの都道府県で2026年4月以降に順次始まると見込まれます。
介護で使える他の制度:省力化投資補助金・ものづくり・IT導入
介護テクノロジー導入支援事業のほかにも、中小企業向けの汎用制度を介護事業者が活用できる場合があります。社会福祉法人・医療法人・株式会社が運営する介護施設も、中小企業者等の要件に該当すれば申請の対象になり得ます(法人規模により対象外となる場合があるため事前確認が必要です)。
省力化投資補助金・ものづくり補助金(設備・ロボット向け)
省力化投資補助金(中小企業省力化投資補助金)は、人手不足の解消・省力化に資する設備の導入を支援する制度で、見守りセンサーやコミュニケーションロボット、移乗補助機器などが対象になり得ます。ものづくり補助金は、革新的なサービス提供・生産プロセス改善のための設備投資を支援します。いずれも経済産業省系の制度で、GビズIDによる電子申請が基本です。介護機器の制度別の詳しい解説は介護ロボットの補助金 完全ガイドもご参照ください。
IT導入補助金(介護ソフト・業務支援システム向け)
介護記録ソフトや業務支援システムなどのソフトウェアは、IT導入補助金の対象になる場合があります。IT導入補助金は登録されたITツール・ITベンダーを経由して申請するのが特徴です。介護ソフトについては、介護テクノロジー導入支援事業のICT枠と対象が重なることもあるため、どちらで申請するのが有利かを比較したうえで選ぶ必要があります。