ファナック(FANUC)とは:世界シェアトップクラスの産業用ロボットメーカー

ファナック株式会社(山梨県忍野村)は、CNCシステム・産業用ロボット・工作機械の世界的リーディングカンパニーです。2026年現在、累計出荷台数は世界100万台を超え、信頼性・保守性の高さから日本の製造業を中心に圧倒的な支持を受けています。フィジカルAI補助金の全体ガイドと合わせてご覧ください。

ファナック ロボット概要(2026年)

累計出荷台数

100万台超

可搬重量

0.5〜2,300kg

ラインアップ

100機種超

国内拠点

全国整備

ファナックロボットの最大の特徴は「稼働率の高さ」と「保守ネットワークの充実」にあります。MTBF(平均故障間隔)8万時間以上を誇り、工場の稼働停止リスクを最小化できます。補助金申請においても、ファナック製品は実績・信頼性の観点で審査員に高評価を得やすい傾向があります。

ファナックロボットの特徴と日本製造業での強み

  • 高い信頼性:MTBF 8万時間超(業界最高水準)。生産ラインの停止リスクを最小化
  • FANUC FIELD system:IoT/AI対応の設備管理プラットフォームで予知保全を実現
  • 幅広いラインアップ:0.5kgの小型精密ロボットから2,300kg超の大型ロボットまで対応
  • 国産メーカーの安心感:山梨県に一貫製造体制。部品調達・保守対応が迅速
  • 補助金実績:ものづくり補助金・省力化投資補助金での採択事例が多数

ファナックロボット製品ラインアップ:LR Mate・M-10iA・CRXシリーズの詳細

補助金申請を検討する際に最も多く選ばれるファナックロボットの代表シリーズを解説します。

LR Mate 200iDシリーズ:小型・精密作業用(本体価格 200〜350万円)

LR Mate 200iD シリーズ

可搬重量

4〜14kg

リーチ

550〜911mm

本体価格目安

200〜350万円

繰り返し精度

±0.01mm

LR Mateは「省スペース・高精度」を両立した小型多関節ロボットです。電子部品の組立・基板ハンドリング・ネジ締め・小物搬送など、中小製造業での導入事例が最も多いシリーズです。

  • LR Mate 200iD/4S:コンパクト設計(防塵・防滴IP67対応)、食品・医薬品現場に最適
  • LR Mate 200iD/7L:7kg可搬・長リーチ(911mm)、幅広い搬送用途に対応
  • LR Mate 200iD/14L:14kg可搬の大型版、重量部品の精密組立に

システム一式(本体 + エンドエフェクタ + コントローラ + 周辺設備 + SI)での導入費用は一般的に500〜800万円程度になります。

M-10iAシリーズ:中型汎用ロボット(本体価格 280〜450万円)

M-10iA シリーズ

可搬重量

10〜20kg

リーチ

1,420〜1,632mm

本体価格目安

280〜450万円

繰り返し精度

±0.02mm

M-10iAは製造業で最も幅広く採用される中型汎用ロボットです。溶接・搬送・組立・検査・パレタイジングなど多用途に対応し、製造ラインの自動化に広く活用されています。

モデル可搬用途価格目安
M-10iA/1010kg汎用搬送・組立280〜320万円
M-10iA/1212kg高速搬送・パレタイジング300〜360万円
M-10iA/2020kg重量物搬送・溶接380〜450万円

CRX-10iAシリーズ:協働ロボット(本体価格 400〜600万円)

CRX-10iA 協働ロボット

可搬重量

10〜35kg

リーチ

1,249〜1,889mm

本体価格目安

400〜600万円

安全柵

不要(人共存)

CRXシリーズはファナックの協働ロボット(コボット)で、安全柵なしで人と同一空間での作業が可能です。タブレットによる直感的なティーチングが可能で、プログラミング経験のない現場作業員でも操作を習得できます。

  • CRX-10iA/L:10kg可搬・長リーチ、部品供給・検査・研磨に最適
  • CRX-25iA:25kg可搬、重量部品の組立・搬送補助に対応
  • CRX-35iA:35kg可搬の大型コボット、溶接・重量物取扱い

CRXの省力化補助金カタログ登録について

CRX-10iAシリーズは省力化投資補助金のカタログ型への登録実績があります。ファナックの販売代理店または直接問い合わせで最新の登録状況を確認してください。カタログ型では審査なし・先着順で最大1,500万円の補助を受けられます。

ファナックロボット導入で活用できる補助金:対象制度と申請のポイント

ファナックロボットは産業用機械・装置に分類されるため、複数の補助金制度の対象となります。機種・用途・企業規模に応じた最適な申請戦略を解説します。

ものづくり補助金(最大1,250万円)

ものづくり補助金でのファナックロボット申請

補助率(通常)

1/2〜2/3

上限額(通常枠)

750万円

上限額(デジタル枠)

1,250万円

対象経費

機械装置・SI費

ものづくり補助金は、ファナックロボット本体・コントローラ・エンドエフェクタ・SIコスト・周辺設備費用が補助対象経費となります。採択率を高める記載のポイントは以下の通りです。

  • 「革新的サービス・プロセスの改善」を具体的に記載:「ファナックCRXによる協働作業で、熟練工が担っていた検査工程を自動化。年間生産量を30%向上」
  • FANUC FIELD systemを活用した「データドリブン生産管理」を訴求してデジタル枠を狙う
  • LR MateやM-10iA導入による省力化効果を時間・コスト両面で数値化

省力化投資補助金(最大1,500万円)

省力化投資補助金のカタログ型は、審査なし・先着順で最大1,500万円(中小企業)の補助を受けられます。ファナックのCRXシリーズを含む協働ロボット・産業ロボットの一部機種がカタログ登録されています。

補助金補助率上限額ファナックでの活用ポイント
省力化補助金(カタログ)1/21,500万円カタログ登録機種を選択、審査不要で迅速申請
省力化補助金(カスタム)1/21,500万円カスタムラインシステム一式で申請
ものづくり補助金(通常)1/2〜2/3750万円中小企業のLR Mate/M-10iA 1〜2台導入
ものづくり補助金(デジタル枠)2/31,250万円FANUC FIELD連携・IoT化を訴求
IT導入補助金3/4〜4/5350万円FIELD systemライセンス・管理ソフト費用

ファナックロボットのリース活用:月額費用と補助金の組み合わせ方

ファナックロボットは購入以外にも、リース・割賦での導入が可能です。初期投資を抑えながら補助金も活用する戦略を解説します。詳細な税務メリットはリース vs 購入の税務メリット比較をご覧ください。

ファナックロボットのリース月額費用目安

機種本体価格目安リース月額(5年)向いている用途
LR Mate 200iD/4S200〜280万円3.5〜5万円小型部品組立・電子機器
LR Mate 200iD/7L250〜350万円4.5〜6.5万円精密搬送・品質検査
M-10iA/10280〜350万円5〜7万円汎用搬送・溶接
M-10iA/20380〜500万円7〜10万円重量物搬送・パレタイジング
CRX-10iA/L400〜500万円7.5〜10万円協働作業・検査・研磨
CRX-25iA500〜650万円9.5〜13万円重量協働作業・溶接支援

ファイナンスリースとものづくり補助金の組み合わせ

ファイナンスリース(所有権移転型)でファナックロボットを調達する場合、リース総額がものづくり補助金の補助対象経費として認められます。月額費用を抑えながら補助金を最大活用できるため、初期資金が限られた中小企業に有効な戦略です。

ファナックロボット補助金採択事例:製造業での実例

ものづくり補助金・省力化投資補助金でのファナックロボット採択事例を紹介します。

事例1:LR Mate 200iD導入 – 電子部品メーカー(従業員45名)

採択事例:電子部品メーカーC社(ものづくり補助金・デジタル枠)

  • 課題:基板実装後の外観検査を熟練作業員5名が目視で実施。人手不足・品質のばらつき問題
  • 導入機器:LR Mate 200iD/7L × 2台 + 画像検査システム + FANUC FIELD system
  • 総導入費用:1,200万円(本体×2台 + 検査システム + SI + ライセンス)
  • 補助金:ものづくり補助金(デジタル枠)2/3補助 → 補助額800万円、自己負担400万円
  • 省力化効果:検査担当5名 → 2名に削減、不良品検出率99.7%(従来比+8%)
  • 採択ポイント:FANUC FIELDによる検査データのリアルタイム蓄積・AIによる品質予測をデジタル化計画に明記

事例2:CRX-10iA導入 – 金属加工業(従業員30名)

採択事例:金属加工業D社(省力化投資補助金・カタログ型)

  • 課題:バリ取り・研磨工程の熟練工が高齢化、技能継承困難
  • 導入機器:CRX-10iA/L × 1台 + 力覚センサー + 研磨ツール
  • 総導入費用:700万円(本体 + 周辺設備 + SI)
  • 補助金:省力化投資補助金(カタログ型)1/2補助 → 補助額300万円(小規模上限)、自己負担400万円
  • 省力化効果:バリ取り担当2名を他工程へ転換、月間加工コスト削減約40万円
  • 採択ポイント:CRXのカタログ登録確認、先着申請でスピード採択

事例3:M-10iA導入 – 食品製造業(従業員70名)

採択事例:食品製造業E社(ものづくり補助金・通常枠)

  • 課題:弁当箱へのおかず盛り付け工程に作業員8名が従事。繁忙期は20名体制だが採用困難
  • 導入機器:M-10iA/10 × 2台(IP67対応仕様) + 盛り付けエンドエフェクタ + 画像センサー
  • 総導入費用:1,600万円(本体×2台 + 食品対応カスタム + SI)
  • 補助金:ものづくり補助金(通常枠)1/2補助 → 補助額750万円(上限)、自己負担850万円
  • 省力化効果:盛り付け担当8名 → 4名に削減、処理速度1.3倍、衛生基準適合率100%維持

ファナックロボット費用シミュレーション:補助金適用後の実負担

機種・規模別に補助金適用後の実質負担額をシミュレーションします。

機種・規模総導入費用活用補助金補助額自己負担
LR Mate 1台(小規模)600万円省力化補助金(小規模300万円上限)300万円300万円
LR Mate 1台(中小)600万円ものづくり補助金(通常1/2)300万円300万円
M-10iA 2台1,400万円省力化補助金(中小1/2)700万円700万円
CRX-10iA 1台800万円ものづくり補助金(デジタル2/3)533万円267万円
M-10iA + CRX セット2,000万円省力化補助金(上限1,500万円)1,000万円1,000万円

ファナックロボット導入のROI計算例

CRX-10iA導入ROI試算(溶接・研磨工程、熟練工2名削減)

年間人件費削減

約720万円

年間保守費

約80万円

純年間削減

約640万円

回収期間(補助後)

約5ヶ月

(試算条件:自己負担267万円 ÷ 月純削減53万円 ≒ 5ヶ月。人件費は月30万円×2名=60万円/月、保守費6.7万円/月として計算)

ファナックロボット補助金申請の注意点と成功のコツ

ファナックロボットの補助金申請において、よくある失敗と対策を解説します。

SIコストを含めた「システム一式」での申請を推奨

ファナックロボットは本体だけでなく、エンドエフェクタ・コントローラ・周辺設備・SIコストを含めたシステム一式での導入が一般的です。ものづくり補助金では、これらすべてを「機械装置費」として一括申請できます。

  • 補助対象:ロボット本体、コントローラ、エンドエフェクタ、搬送装置、検査システム、SIコスト、試運転費
  • 補助対象外:建屋・内装工事、既存設備の改修費(原則)、消耗品

事業計画書で「革新性」を具体的に示すことが採択への鍵

採択されない事業計画書の典型的なパターン

「ファナックロボットを導入して省力化する」という記載だけでは採択されません。「現状の課題→ファナック導入による解決策→数値目標(生産量◯%増・人件費◯万円削減)→賃金引上げ計画」という流れで具体性を持たせることが重要です。

ファナックの販売代理店・SIerでは補助金申請サポートサービスを提供していることが多いため、初めての申請の場合は積極的に活用してください。