安川電機(YASKAWA)とは:産業用ロボットのグローバルリーダー

安川電機株式会社(福岡県北九州市)は、インバータ・サーボモータ・産業用ロボットを中心に展開する日本を代表する製造業メーカーです。産業用ロボットブランド「MOTOMAN(モートマン)」は世界60カ国超に展開し、累計出荷台数は2026年現在60万台を超えています。フィジカルAI補助金の全体ガイドと合わせてご覧ください。

安川電機 ロボット概要(2026年)

ブランド名

MOTOMAN

累計出荷台数

60万台超

可搬重量

0.5〜1,500kg

ラインアップ

150機種超

安川電機の強みは「モーション技術(インバータ・サーボ)」と「ロボット制御」の両方を自社開発している点にあります。サーボモータとコントローラの一貫開発により、高精度・高速な動作と優れたエネルギー効率を実現しています。補助金申請においても、国産・高実績の製品として採択審査で高く評価されます。

安川電機MOTOMANロボットの特徴と強み

  • 幅広いラインアップ:0.5kgの超小型から1,500kgの大型まで150機種超をカバー
  • 高速・高精度:独自サーボ技術による繰り返し精度±0.02mm(標準機)
  • YRC1000コントローラ:スリム設計・省エネ・IoT対応の最新コントローラ
  • スマートファクトリー対応:i³-Mechatronicsによる生産ライン全体のデジタル化
  • 国内保守体制:全国150拠点超のサービスネットワーク
  • 補助金実績多数:ものづくり補助金・省力化投資補助金での豊富な採択実績

安川電機MOTOMANシリーズ:主要製品ラインアップと価格

補助金申請の際に特に多く選ばれる安川電機の代表シリーズを詳しく解説します。

MOTOMAN-GPシリーズ:汎用型(本体価格 250〜500万円)

MOTOMAN-GP シリーズ(汎用)

可搬重量

4〜225kg

本体価格目安

250〜500万円

繰り返し精度

±0.02〜0.05mm

用途

搬送・組立

MOTOMAN-GPシリーズは「General Purpose(汎用)」の名の通り、搬送・組立・パレタイジング・ピッキングなど多目的に使える標準型ロボットです。製造業での最も導入実績が多いシリーズです。

モデル可搬リーチ価格目安主な用途
GP44kg550mm250〜300万円小型電子部品搬送・組立
GP88kg727mm260〜320万円中型部品搬送・検査
GP1212kg1,440mm280〜350万円汎用搬送・溶接
GP2020kg1,717mm340〜420万円重量搬送・パレタイジング
GP5050kg2,038mm420〜500万円大型部品ハンドリング

MOTOMAN-ARシリーズ:アーク溶接専用(本体価格 280〜400万円)

MOTOMAN-ARシリーズは溶接に特化した高精度・高速ロボットで、自動車・建設機械・農業機械などの溶接工程自動化で圧倒的なシェアを持ちます。

  • AR900/AR1440:スリム設計で狭所溶接に対応。スラント型設計で干渉を回避
  • 溶接電源との統合制御:専用溶接電源とコントローラの協調制御で溶接品質を最大化
  • 価格目安:本体280〜400万円(溶接電源・周辺設備含む導入一式:800〜1,500万円)

溶接ロボットのものづくり補助金採択実績

溶接工程の自動化は「熟練技術の不足解消」「溶接品質の均一化」という観点で採択審査員に高評価を受けやすい分野です。特に中小の金属加工業・製缶業での採択事例が多く報告されています。

MOTOMAN-HC/CRシリーズ:協働ロボット(本体価格 350〜600万円)

MOTOMAN-HC シリーズ(協働ロボット)

HC10DT

10kg積載

HC20DT

20kg積載

本体価格目安

350〜600万円

安全柵

不要(人共存)

MOTOMAN-HCシリーズは安川電機の協働ロボット(コボット)ラインアップです。人間とロボットが安全柵なしで共存できるため、省スペース・既存ラインへの後付け導入が容易です。

  • HC10DT:10kg可搬、ダイレクトティーチング対応。組立・検査・部品供給に最適
  • HC20DT:20kg可搬、重量部品の協働作業に対応
  • HC30PL:30kg可搬、天吊り設置も可能な多様な取付方式

なお、安川電機はSIA(Single-Arm Intelligent Automation)シリーズも展開しており、食品・医薬品向けの衛生仕様ロボットも補助金申請の対象となります。

安川電機ロボット導入で活用できる補助金:申請方法と戦略

安川電機MOTOMANシリーズは産業用機械・装置に分類されるため、複数の補助金制度の対象となります。

ものづくり補助金(最大1,250万円)での申請ポイント

ものづくり補助金での安川電機ロボット申請概要

補助率(通常)

1/2〜2/3

上限(通常枠)

750万円

上限(デジタル枠)

1,250万円

補助対象

本体・SI一式

安川電機ロボット(MOTOMAN)のものづくり補助金採択を勝ち取るための事業計画書作成のポイントは以下の通りです。

  • 溶接自動化の場合:「熟練溶接工の高齢化・後継者不足」を課題として明記。MOTOMANによる溶接品質の均一化・生産量増加を数値で示す
  • 搬送・組立の場合:現状の人件費・作業時間を具体的に記載し、MOTOMAN導入後の削減効果を計算して提示
  • i³-Mechatronics活用:安川電機のIoT/スマートファクトリーソリューションと連携させ、デジタル枠を狙う
  • YRC1000コントローラのIoT連携:MESやERPとのデータ連携によるリアルタイム生産管理をデジタル化の軸として訴求

省力化投資補助金(最大1,500万円)での活用方法

省力化投資補助金は、安川電機MOTOMANシリーズの一部機種がカタログ登録されており、審査なし・先着順で補助金を受けられます。

補助金種別補助率上限額安川電機での活用場面
省力化補助金(カタログ型)1/21,500万円カタログ登録機種(GP/HCシリーズ)を迅速導入
省力化補助金(カスタム型)1/21,500万円ARシリーズ溶接ライン・カスタムシステム
ものづくり補助金(通常枠)1/2〜2/3750万円1〜2台の標準導入
ものづくり補助金(デジタル枠)2/31,250万円YRC1000 IoT連携・i³-Mechatronics活用
IT導入補助金3/4〜4/5350万円生産管理ソフト・MES連携費用

省力化補助金カタログ型の申請タイミング

カタログ型は先着順で補助枠が埋まります。公募開始後なるべく早期に申請することが重要です。安川電機の販売代理店では、公募開始と同時に申請できるよう事前準備(見積書作成・GビズID取得)を支援するサービスを提供していることが多いため、事前に相談しておくことを推奨します。

安川電機ロボット補助金の申請ステップ

ものづくり補助金での申請フローを解説します。詳細はロボット補助金申請フロー完全ガイドをご覧ください。

  1. 導入目的の明確化:どの工程のどの課題を解決するかを具体化(溶接自動化・搬送省力化 等)
  2. 安川電機代理店への相談:機種選定・概算見積もりの取得(GビズID取得と並行)
  3. 事業計画書の作成:課題・解決策・省力化効果・賃金引上げ計画を記載
  4. jGrantsで電子申請:見積書・決算書・事業計画書を添付して申請
  5. 採択・交付申請:採択通知後に交付申請。交付決定後に安川電機へ正式発注
  6. 設置・実績報告:ロボット設置・稼働確認後に実績報告書を提出

安川電機ロボットのリース活用:月額費用と調達方法

安川電機MOTOMANシリーズは、購入・ファイナンスリース・割賦での調達が可能です。リース vs 購入の税務メリット比較も参照してください。

機種本体価格目安リース月額(5年)システム一式価格
GP4 (汎用・小型)250〜300万円4.5〜5.5万円600〜900万円
GP12 (汎用・中型)280〜350万円5〜7万円700〜1,100万円
GP20 (汎用・標準)340〜420万円6.5〜8.5万円900〜1,400万円
AR900 (溶接)280〜350万円5〜7万円800〜1,500万円
HC10DT (協働)350〜450万円6.5〜9万円700〜1,200万円
HC20DT (協働・重量)450〜600万円8.5〜12万円900〜1,500万円

ファイナンスリース × ものづくり補助金の組み合わせ戦略

ファイナンスリース活用の例(MOTOMAN-GP12 システム一式 900万円)

  • ファイナンスリース総額:900万円(5年・月15万円)
  • ものづくり補助金(通常1/2)適用:補助額450万円
  • 実質月額負担:900万円 - 450万円 = 450万円 ÷ 60ヶ月 ≒ 7.5万円/月
  • 初期費用:ほぼゼロ(設置工事費のみ)

ファイナンスリースと補助金を組み合わせることで、初期費用ゼロ・月額7.5万円での導入が実現できます。

安川電機ロボット補助金採択事例:製造業・溶接業の実例

ものづくり補助金・省力化投資補助金でのMOTOMAN採択事例を紹介します。

事例1:MOTOMAN-AR 溶接自動化 – 製缶業(従業員25名)

採択事例:製缶業F社(ものづくり補助金・通常枠)

  • 課題:熟練溶接工2名が全溶接工程を担当。うち1名が定年退職予定で後継者がいない
  • 導入機器:MOTOMAN-AR1440 × 2台 + 溶接電源 + 変位センサー + 周辺設備
  • 総導入費用:1,500万円(本体×2 + 溶接システム + SI)
  • 補助金:ものづくり補助金(通常枠)1/2補助 → 補助額750万円(上限)、自己負担750万円
  • 省力化効果:溶接担当2名 → 1名(ロボット管理担当)に削減、溶接速度1.5倍、品質ばらつき解消
  • 採択ポイント:「熟練工の高齢化・技術継承困難」という社会課題との整合性を強調

事例2:MOTOMAN-HC協働ロボット – 電機部品組立(従業員55名)

採択事例:電機部品製造G社(省力化投資補助金)

  • 課題:電機部品の最終組立・コネクタ挿入工程に作業員6名が従事。繁閑差が激しく残業が慢性化
  • 導入機器:MOTOMAN-HC10DT × 2台 + 力覚センサー + 組立専用ハンド
  • 総導入費用:1,100万円
  • 補助金:省力化投資補助金(カタログ型)1/2補助 → 補助額550万円、自己負担550万円
  • 省力化効果:組立担当6名 → 3名に削減、残業時間月平均60時間削減、品質不良率0.3%低下
  • 採択ポイント:HC10DTがカタログ登録済みのため、審査不要で迅速採択

事例3:MOTOMAN-GP パレタイジング – 食品メーカー(従業員100名)

採択事例:食品メーカーH社(ものづくり補助金・デジタル枠)

  • 課題:製品の出荷前パレタイジング工程に作業員8名が従事。腰痛による労災が年2件発生
  • 導入機器:MOTOMAN-GP20 × 1台 + コンベア + パレット認識センサー + YRC1000 + MES連携
  • 総導入費用:1,800万円(YRC1000 IoT連携費用含む)
  • 補助金:ものづくり補助金(デジタル枠)2/3補助 → 補助額1,200万円、自己負担600万円
  • 省力化効果:パレタイジング担当8名 → 2名(監視・管理)に削減、腰痛労災ゼロ、処理速度1.8倍
  • 採択ポイント:YRC1000 + MES連携によるリアルタイム出荷データ管理をデジタル化計画の核として訴求

安川電機ロボット費用シミュレーション:補助金適用後の実負担

機種・規模・補助金の組み合わせ別に費用シミュレーションを示します。

機種・規模総導入費用活用補助金補助額自己負担月額換算(5年)
GP4 × 1台(小規模)600万円省力化補助金(小規模300万円上限)300万円300万円5万円/月
GP12 × 1台(中小)900万円ものづくり補助金(1/2)450万円450万円7.5万円/月
AR1440 × 2台(溶接)1,500万円ものづくり補助金(上限750万円)750万円750万円12.5万円/月
HC10DT × 2台(協働)1,100万円省力化補助金(1/2)550万円550万円9.2万円/月
GP20 + YRC1000 IoT1,800万円ものづくり補助金(デジタル2/3)1,200万円600万円10万円/月

安川電機ロボット導入のROI計算例(溶接工程)

MOTOMAN-AR 溶接自動化 ROI試算(熟練溶接工2名削減)

年間人件費削減

約800万円

年間保守費

約100万円

純年間削減

約700万円

回収期間(補助後)

約13ヶ月

(試算条件:自己負担750万円 ÷ 月純削減58万円 ≒ 13ヶ月。溶接工人件費を年400万円×2名=800万円として計算。保守費は年間100万円を見込む)

安川電機ロボット導入・補助金申請の注意点

安川電機MOTOMANシリーズの補助金申請において、事前に把握すべき注意点を解説します。

注意点1:「システム一式」での申請で補助額を最大化

ものづくり補助金では、MOTOMAN本体だけでなく、コントローラ(YRC1000)・周辺機器・SIコスト・試験費用をすべて「機械装置費」として一括申請できます。SIコストは導入費用の30〜50%を占めることが多いため、必ず見積もりに含めて申請してください。

注意点2:補助金公募タイミングに合わせた計画が必須

交付決定前の発注は補助対象外

補助金の交付決定通知を受け取る前にMOTOMANを発注・購入した場合、補助金の対象外となります。ものづくり補助金は申請から交付決定まで3〜6ヶ月かかるため、設備投資の計画スケジュールを補助金の公募スケジュールに合わせて立案してください。

注意点3:YRC1000コントローラのバージョン管理

安川電機のYRC1000コントローラはファームウェアアップデートにより機能向上・セキュリティ対応が継続的に行われます。IoT連携(i³-Mechatronics)を活用する場合は、コントローラのソフトウェアバージョンとクラウドプラットフォームの互換性を定期確認することを推奨します。年間保守契約(本体価格の5〜8%程度)の締結を検討してください。